2009/07/31

平成 19 年度センター試験(本試験)数学 II・B 第 5 問

平成 20, 21 年度のつづきで,平成 19 年度のセンター試験(本試験)における数学 II・B 第 5 問の個人的な解説を紹介します.いつも書いていますが,より良い解法もあると思いますので,参考までに見てください.また前回同様,問題自体は大学入試センターのウェブサイトや予備校のサイトに今日の時点ではありました.参考までにご利用ください.

全体としては,教科書レベルを理解していれば,問題ない問題ばかりですが,20 年度,21 年度と比べると少し計算が面倒な点や戸惑う問題があるように思いました.それでも他の設問が割と早めに解けると思いますので,時間をかけて「?」と思う設問をとければよいのかなと思います.

これまでの試験すべてでいると思うのですが,今回の新学習指導要領におけるデータの活用という意味の問題は解釈を選択する設問以外は作りにくいのかなとも思いました.

(1) の問題:P 高校のクラスの数学 x と国語 y のテストの得点の問題で,x の合計や平均値を求めます.ただすべての対象の数値がないため,得られた情報から求める必要があります.問題文に指示がありますので,その指示に従えば特に問題はないと思います.生徒番号 1 の偏差をみて,62-平均値=3.0 となっているので,平均値 B は 59.0(←アイウ).生徒が 20 人いますので,合計 A は,59.0×20=1180(←エオカキ).

(2) の問題:分散を求める問題.x の分散は,偏差の 2 乗の平均のため表より 77.2(←クケコ).これをみると合計が与えられている表さえ見れば個々の数値がなくてもたいがい求められることが分かります.

(3) の問題:変数変換の問題(これは教科書で発展でもしているのでしょうか).変数の合計した変数の平均値のため (z の平均値) = (x の平均値) + (y の平均値) = 59.0+61.0 = 120.0(←サシスセ).これは 20 年度では差による変数変換の平均値と同様に求められます.また分散は問題分に与えられている情報を活用し,与えられた式の両辺を n(今回は 20)で割ると (z の分散) = (x の分散) + (y の分散) + 2 ×(x と y の共分散)となり,共分散は正負どちらともなりますが,今回は表から負になっているため,(z の分散)の方が {(x の分散)+(y の分散)} よりも小さくなります.よって,「<」(←2,ソ).

(4) の問題:x と y の散布図を問う問題.少なくとも共分散が負のため負の相関になることから,グラフは 2 か 3 の散布図になることは明らか.あとは相関係数を求めてたらより相関が高い 3 と分かりますが,あとの方法としては,中央値をみて,より真ん中の数値を表しているということを考えると 3 となります(←タ).しかしこの問題はよくみて考えないと直感では「?」と思います.よく考えて,こういうことかなと思いました.

(5) の問題:P 高校と Q 高校の度数分布表の問題です.中央値を求めますが,P 高校は 10, 11 番目,Q 高校は 13 番目の学生がいるところを探します.P 高校は 55~59.Q 高校は 60~64 となります.よって,「Q 高校の方が大きい」の 1 になります(←チ).

(6) の問題:度数分布表からの平均値を求める問題.階級値を使った計算,特に仮平均値を用いた解法をすると少しは簡単になると思います.これで得られた 54.8 ですが,階級値を用いた場合,それぞれの対象の値が最大で階級の幅の半分の誤差が出ます.これは平均値に対しても同様にでます.これを踏まえて,平均値のとり得る範囲は 54.8-2~54.8+2 となり,結果,52.8~56.8 となります.またこれと (1) から P の平均値は 59.0 から,どちらにしても「P 高校の方が大きい」の 0 になります(←ネ).

(7) の問題:記述の正しさを問う問題.とりあえずひとつ一つ見ると 0, 1, 3 は正しい.2 は同じになるため,あれっと思い,またこれしか選択肢がないため,これが誤っているものになります.確かに誤っているとはこれのみです.

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