現在の課程を受けた学生が受験してきている最初の統計の試験の個人的な解説を紹介します.いつも書いていますが,より良い解法もあると思いますので,参考までに見てください.また前回同様,問題自体は大学入試センターのウェブサイトや予備校のサイトに今日の時点ではありました.参考までにご利用ください.
全体としては,教科書レベルを理解していれば,問題ないと思いますが,やや 19 年度,20 年度,21 年度と比べると少し問題が少ないのか,割とさっと答えられるように思います.ただ変数変換などもちゃんと理解していないと教科書で扱っているのかが分かりませんので,落ち着いて解く必要があったかもしれません.
[1] の (1) の問題:5 人の小テスト x, y の得点のデータで x の分散を求める問題.そのまま定義どおりに求め(表に書いていけば分かりやすいかも),0.4(←アイ).
[1] の (2) の問題:変数変換の問題.y の得点の平均値を求めると 8.ここでの y を使った変数変換で,t の平均値は 0 になることから,y - 8 と平均値を引けば t の平均値は 0 になるので,答えは 8(←ウ).
[1] の (3) の問題:変数変換の問題.x の分散と同じものになるということで,まず x の分散を求めると (1) より,0.4.y の分散も同様に求めて,2.したがって変数変換で 2 である分散が 0.4 になるためには,y/√(2) × √(0.4) = √(5)/5 y(←エオ).(2) の問題もですが,偏差値(平均値 50,標準偏差 10)の式を思い出すと何をどこにかけるかがわかると思います.
[1] の (4) の問題:相関係数の問題.x と y の相関係数ですので,そのまま定義どおり求めて(表で求めることをお勧め),相関係数の 2 乗は 0.45(←カキク).y をスカラー倍した変数変換した u と x との変数変換ですので,定義式を考えると,相関係数が変わらないことが分かりますので,答えは先と同様に 0.45(←ケコサ).この問題もですが,変数変換による性質は数学 C の確率分布のところで触れます.発展的に先に習っていたらささっと解けるのですが,知らないと手間がかかるかもしれません.E(ax+b) = aE(x)+b,E(x+y)=E(x)+E(y),V(ax+b)=a2V(x) などは知っておくと試験のときには便利かもしれません.
[2] の (1) の問題:何かの資料の散布図から相関係数を求める問題.散布図と相関係数の関係がわかると,まず右下がりで負の相関がありそうですので,0 か 1 か 2 の可能性あり.相関係数の絶対値は 1 を超えることはあり得ないため,0 が消える.残りで考えた場合,-0.9 の場合は,かなり直線に近い状況といえるため,やや強い相関といえる -0.6 の 2 を選べます(←シ).なんとなくはわかりますが,あっているとは思うけど….というようなやや自信がない生徒もいるかなと思います.この辺りは多くのデータを見てほしいと思います.
[2] の (2) の問題:クロス集計(どちらかというと相関表ですね)で周辺度数を求め,ヒストグラムの関係を問う問題.周辺度数をもとめて,変量 p は,2 峰の分布になっていることがわかるので,4(←ス)となる.変量 q はやや大きい方に山が来ている(左に歪んでいる)データといえますので,その形を考え,2 か 5 のグラフ.あとは表を見ながらより適切なものは 5(←セ)ということが分かります.
2009/08/01
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