2013/01/21

平成 25 年度センター試験(本試験)数学 II・B 第 5 問

毎年しているつもりでしたが,去年はアップしていませんでしたね.あれれと思います.

今年の問題は計算量を減らす工夫は素晴らしいと思いますが,もう少し統計的な考え方の問題があってもよいかなと感じました.とはいえ,試験問題を作るのは大変なので,あまり言えませんが….

今年の問題は全体を通し,テストの点数に関する問題で,10 名の国語,英語,数学の 3 教科の結果について,統計量の計算および散布図を選ぶ問題といえそうです.

計算時間があれば基本的な統計量の求め方や散布図の描き方を知っていれば,満点取れると思います.

(1) 10 人の国語の点数の値が与えられており,平均値,分散,中央値を求める問題.各統計量の定義を知っていればできる,基礎的な問題です.それぞれ計算して,平均値は 7.0 点,分散は 4.00,中央値は 7.0  点でした.特にテクニック的な求め方は浮かびませんでしたが何かあるのでしょうか….

(2) 度数分布表の穴あき問題.すでにある程度わかっているので,平均値と分散を求める式から関係式を考えると 2 つの式が得られるので,その連立方程式を解けば求められる.C >D から C = 9 点,D = 7 点.こちらも基礎的な問題で,統計の基礎力を確認しているように思います.

(3) 与えられた 2 組のデータから散布図と相関係数を求める問題.実際に散布図を描けば,0 の散布図の (7,10) はデータにないこと(※そもそも英語で 10 がいない),1 の散布図の (10,7) がデータにないこと,3 の散布図では (7, 8) がデータにないこと,に気づけば選択肢 2 が選べる.間違い探し的に探すのが良いのだろうか….相関係数は求めるしかないのですが,逆にすでにすべての数値があるので,確実に求められることがわかります.実際に手計算すると 0 となる部分が多く,とりあえずは求められます.結果 0.2 となります.ICT を利用したらさっととける問題はどうかなと思いますが,この計算の工夫は良く考えていると思います.

(4) 前半は 2 つの変数の合計の平均を求める問題.平均の求め方が分かっていれば,式変形を行い,(合計の平均)=(国語の平均)+(数学の平均)=7.0 + 5.4 = 12.4  点とわかります.何か含みがある問題なのかなと思いつつ,仕掛けをきづきませんでした….

後半は合計の分散を流れに従い計算する問題.相関係数とそれぞれの分散が与えられているので,相関係数を求める式にそれぞれの値をいれ,偏差積も方程式で求めることができ,T = -3.000
となる.分散においても (4) の前半と同様に式変形をすれば,S_w^2 = S_x^2 + S_y^2 + 1/5 T とわかる.あとは S_x^2,S_y^2,T の値はすでに求められているので,計算して, 4.84 となる.

もう少し統計的な部分が…とは思いますが,全体として基本的にわかりやすい問題と思います.

参考まで.

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