今回は英語と数学のテストの得点のデータの分析で,一人増えたり,減ったりとデータが変わったときの統計量の変化を求めています.
計算はセンター試験の統計の問題らしく工夫することで計算量を減らすことが可能なものもあり,こういう問題もありと思います.ただもう少し現実のデータ分析に近く,代数的な問題よりはグラフ等を用いた視覚的アプローチの問題を期待したいと個人的には思います.計算力をここでは測りたいわけではないと思いますので,解法が浮かんでも面倒な単純計算で,時間ばかりかかるような気もします.とはいえ,なかなか出題は難しいと思いますけどね.今回から具体的な数値は書かないようにしますので,ご注意を.
(1) 与えられた虫食いデータの表から該当する測定値や統計量,関係式を求める問題.平均値などいくつかの統計量が与えられているので,方程式等など基本的な計算で求められる.ただ面倒….
後半は関係式を求めるもので,ひとつは平均値より,もうひとつは相関係数→共分散で求めます.できることはすぐわかるのですが,平均値になっているものもあるので,多少は計算量が減りますが,それでも面倒….最後は簡単な連立方程式.このレベルの連立方程式で点数が得られるならここだけは良い意味ではサービス問題.
(2) 与えられたデータに対応する相関図(散布図)を選ぶ問題.この手のものは選択肢の図を比較して差分を見ればよいですね.
(3) 一人増えたときの統計量の変化を問う問題.定義に従って計算を行えばよい.できるけど…サービス問題としてかんがえましょう.
(4) 一人減ったときの統計量の変化を問う問題.減ったひとは数値を見ればすぐわかります.問題を読めば,問題になくても考えていました.これで点数がつくならありがたい.
後半は最初に選択肢の意味が分からず,ちゃんと読まないと下に選択肢群があるのに気づきませんでした.ちゃんと読まないといけませんね.分散の比と相関係数の比を求めています.平均の人は偏差が 0 なので,分散と共分散の分子?は変わらず,割る数が減るので,全体として大きくなる.相関係数は分散,共分散が同じ比で大きくなるため,変わらないことが分かります.定義式を理解しているか,統計量の性質を理解しているとすぐわかる問題と思います.
単純な計算が多く,データの分析という意味ではどうかなと感じますが,良い意味では,他の選択問題を選ぶよりは高得点を期待できたかもしれません.もちろん理解していればの話ですが….
参考まで.